2012年06月 の記事一覧

映画「ぼんち」(1960年・大映)

日本映画専門チャンネルで放送されたのを鑑賞。

(あらすじ)※日本映画専門chより

山崎豊子の原作を、監督・市川崑、主演・市川雷蔵の「炎上」コンビで映画化。
老舗の足袋問屋の若旦那が放埓な女性遍歴を重ね、商魂を培ってゆく様を雷蔵がひょうひょうと妙演。
四代続いた船場の足袋問屋河内屋の跡取り息子・喜久治(市川)は、店を取り仕切る祖母と母の言うままに生きている。
父の死で五代目となった喜久治は、芸者のぽん太(若尾)と幾子(草笛)を愛人にし、さらにカフェの女優・比佐子(越路吹雪)ともいい仲になり・・・。

(感想等)

中村鴈治郎さん(落語家の春団子役)の、いつものすっとぼけ飄々ぶりは素敵なんですが、
よもや雷蔵さんがあんなにボンボンが似合うとはっ!
しかも、強烈な祖母&母があり言いなりになっているように見えて、
うまぁ~く女の間をくねくねと渡ってる演技が秀逸っ!(笑)。
180度違うキャラの眠狂四郎といい、この方・・・・演技の幅がかなり広いんだなぁ・・・・と、
何本か映画見つつ雷蔵さんの魅力に少しずつずぶ・・・ずぶと入り込んでる熊猫屋です。

母役の山田五十鈴さんは、老舗の娘だけにこれまた世間知らずなんだけれども、
その母が中村玉緒さん演じる喜久治の嫁になった弘子をネチネチ母と「嫁いびり」をする様がも~^^;
気に入らんと、跡取りになりそな男の子が生まれても、
桃の節句なのに・・・・と・・・・酷い。


雷蔵さん演じる喜久治の父・喜兵衛役に船越英二さん。キャスティングも絶妙。
病身で床から離れられない父のために、祖母と母の目を盗んで”いい人”だった芸妓を身の回りの世話をする付き添いとしてあてがうなんて、喜久治やりますのぅ。

喜久治は父・喜兵衛死後、5代目喜兵衛に。

また新たな女が喜兵衛の前に現る。
客からもらった指輪を指に・足にきらっきらさせてる芸妓・ぽん太(若尾文子さん)。
指輪大好きとあけっぴろげなぽん太を喜兵衛は気に入り、
今度はわてが(指輪を)一本にしたると言う。
喜ぶぽん太。

それにしても料亭のお福(京マチ子さん)といい、ぽん太といい、
所作と礼儀と挨拶の場面の細かさには目ぇ見張りますわ。

更に芸妓の幾子(草笛光子さん)まで囲う喜兵衛。
(いつの間に父のいい人も身のたつようにちゃんと世話してたんか喜兵衛)

芸妓に子は産ませるなとなってたが、ぽん太が子を産んだ@男の子。
縁を切らせるために男の子だと五萬円を渡すことになるのだが、
ぽん太もその道の女でそのことは良くわかってたのでもめはしなかったが、
ここんところの二人のやりとりがポンポンと弾むようなやりとりで何か可笑しい^^;

そして、今度はカフェの女給・比佐子。
競馬の馬主になりたいと目を輝かせる比佐子を気に入った様子(またかw)
馬こうてやるし^^;

女を渡り歩いていても、そこは船場の商人(あきんど)。
商売のことは頭から離れず、そっちもしっかりやってるようです。
(ぼんぼんでもボンクラではないようでw)


そんな矢先、幾子が男の子を生んで死去。
妾の葬式には出られんよと祖母から言われた喜兵衛だが、
更に祖母の策略で女の子を産ませるために、料亭のお福(京マチ子さん)が新たな妾に!
(後継ぎとか子さえいれば良くて、嫁はいらんそうですよ~祖母&母強烈すぎ!!)

しかし、あれだけ女を囲っても全員に対してマネマメしい、
不思議な魅力の喜兵衛さんです。
お福は祖母の策略であてがわれたが、
お福が喜兵衛に告白するに、彼女は子供が産めない身体だった。
(それを祖母が知らんということに)笑う喜兵衛。
そして、お福に対しても他の女たちと同じように接するのでした。

ぽん太の子の太郎が苛めを受けて怪我したと、
ぽん太からのSOSで、初めて太郎と対面した喜兵衛。
おいらは妾の子でも船場の大商人の子だと言う太郎に、そうだと言ってあげる喜兵衛。
ついでに幾子の子で里子に出された幾郎も近くにいたはずだと、
そちらも訪ねる喜兵衛(ほんとマメだな^^;)
寝ている幼い幾郎の手をそっとなでてあげるのでした。


時は戦時中。
船場にもついに爆弾が!!
船場は焼け野原になり、喜兵衛には唯一無事だった蔵だけが残された。
不幸中の幸いにも、防空壕にはいくばくかの食糧、
そして蔵の中にも少しの品物が。
少しもたたぬ間に、喜兵衛を頼ってぽん太・比佐子・お福が次々とやってきた。
(妾ども初めてのそろい踏み!!)
転んでもただでは起きない船場の商人・喜兵衛。
ここはやはり商売をまた始めるしか無いだろうなぁと考える。
そんな蔵に何と祖母と母が戻ってきた(!)
喜兵衛は懐の大金を6等分にし、女5人に向かって菩提寺に行ってくれという。
妾3人は承諾したが、
祖母は気でも狂ったのか、それとも「家」そのものが彼女の心のよりどころだったのか、
家を燃やしたと(空襲のせいなのに)喜兵衛を罵る祖母。
(母&祖母はここでもめんどくさい^^;)

妾たちは自分達の子供を喜兵衛に頼んで菩提寺へ。
家と共に果てたかったのか?自殺か事故かあいまいだが祖母が死んだ。

1年以上たって、商売もどうにか立て直し、妾達の様子を見に行った喜兵衛だったが、
そこで見たのは、仲良く風呂に入りながら、
喜兵衛からもらった金を元手に新たな人生を歩もうと語り合う妾たちの姿だった。
(ここのきゃっきゃ♪状態の女たちが楽しそう。それにしても文たん演じるぽん太、
宝石大好き!のあまり指輪だと供出させられるってんで歯にダイヤを!!さすがだわ・笑)

戦時中やその後の辛さも知らぬような、
よく肥えむっちりとした彼女たちを見るにつけ、
女として見られなくなってしまった喜兵衛。
これでぷつっと何かが終わったようだ。
これが「放蕩の終わり」と悟った喜兵衛。
彼にとっても喜ばしいことだった。

その後、結局太郎も幾郎も引きとり、最初の妻・弘子の息子と三人プラス母で暮らしていたらしいが、
後に母と幾郎は亡くなったようだ。
(弘子との子は、祖母に溺愛されたのでボンクラのようで、太郎がしっかりしてるらしい・笑)
母亡き後に二度目の妻を娶り、その妻はよく尽くしてくれたいい嫁だったそうだが、
すぐ先立たれたようだ。


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あんなに女に囲まれながらも、少しも嫌味が無いというか、
女を渡り歩きつつも一方で女にも結局半分は遊ばれたのかな?^^;
最初に祖母&母にいびり倒された弘子さん以外は、
結構喜兵衛にマメに色々してもらっていい夢も見たようで。
この微妙な男と女の関係を、飄々と風の如く演じた雷蔵さんが素敵すぎる。
女たちも結構したたかな面もあったけれども、
それに対して嫌味にも思わず、女にはすべからく優しかった喜兵衛。
これがほんとの遊び人か!(笑)。
遊び人の役ではこれまた似合いまくる中村鴈治郎さんや船越英二さんもまっ青の、
絶妙な身のこなしの雷蔵さん演じる喜兵衛でした。

そんな喜兵衛を若い頃からずっと見続けた女中のおとき。
「旦那さんはぼんぼん育ちでおましたけど、根性のしっかりした男はんどしたんや。
船場にお生まれでならなかったら、あないに優しい心を持っておられなんだ。
立派なぼんちになったお人やった」

彼女が一番喜兵衛の本質を見抜いていた。
あの彼女の言葉のシメが、これまたぐぐっときます。

個性が全く違う女優陣との豪華共演。
女優達も映えながらも、しっかりと中心に喜兵衛がいる。
雷蔵さんの演技者としての素敵な一面をまた見た映画でした。
















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映画「恋のつむじ風」(1969年)&「花の恋人たち」(1968年)@日活

日活の青春映画2本をチャンネルNECOで見ました(・▽・)

「恋のつむじ風」(1969年)

(あらすじ)※chNECOより

松原智恵子の映画初主演作。杉良太郎との初コンビで、当時の女性の結婚観をコミカルに描く明朗青春映画。
北海道で育った純情娘・アカネは、実直な青年・俊平との結婚式で俊平に隠し子がいると知り東京へ逃げ出した。
しかしそれはアカネの親友アオイが打った芝居だった。
一転して都会の喧騒に巻き込まれたアカネだったが…。
当時の流行発信地であるゴーゴー喫茶などの風俗、R&B場面での内田裕也とザ・フラワーズの演奏や、いしだあゆみの『ブルーライト・ヨコハマ』の歌唱シーンなど音楽も満載。
初主演の松原智恵子の下着姿&ビキニ姿のサービスカットも貴重。

(感想等)

松原智恵子さん主演映画です。
いやぁ~もう純情可愛いお嬢さんっていう雰囲気ぴったりで、
萌え萌えしちゃいますよ(*´∀`*)
当時の流行なのかな?タイトなパステルカラーのミニスカワンピの数々が似合うことに合うこと。
お人形さんのようでございます。
そして、それが嫌味ないんだよなぁ。
杉良太郎さん演じる婚約者の俊平に隠し子疑惑があり(ま、それは違ったんですけどね)、アカネ(松原さん)の親友のアオイ(太田雅子=現・梶芽衣子さん)に半ばそそのかされるような形で、
東京に飛び出しました。
で、その純情娘のアオイが、都会で酸いも甘いも体験し、結局は自分は都会の水に合わないことと、
そして俊平がいることを悟って田舎に帰って行く話。

杉さん、日活映画では真面目~な好青年が多いですのぅ。
やっぱり後年のテレビ時代劇で生き生きしている方が好きだw
まだ何かこの頃は借りてきたネコみたいで普通の演技でござんす。

川口恒さん演じる大会社の重役のチャラ男が、
アカネとミドリ(長谷川照子さん)を本命がいるのに手玉にとるのが許せん!(笑)

アオイこと梶さんですが、奔放な役を伸び伸びと演じていてこれまた気持ちがいい。
奇妙な白ウィッグをかぶって、お土産のおいなりさんを持っていても似合うわぁ(爆)
この梶さんのアオイと、松原さんのアカネの性格の違いも面白いです。

たあいのない青春映画ですが、
この頃のキッチュな昭和の女の子の部屋のインテリアといい、可愛いですのぅ。
そして何より、可愛い「松原さんを愛でる映画」として、ゆる~く楽しみました。

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「花の恋人たち」(1968年)

(あらすじ)※chNECOより

昭和43年の正月映画に相応しく、吉永小百合ほか日活の豪華青春女優が勢ぞろいし、女医を目指す7人のインターンの恋と友情を描く青春映画。
操と有為子は大学でもずば抜けた秀才。
国家試験合格を目指す傍ら、学長賞も狙っていた。
家庭環境が全く違う二人だったが、研究室の好青年・吉岡に強く魅かれていた。
いよいよ学長賞の発表される日、操の母が倒れたと連絡が入る…。
原作は吉屋信子の『女の教室』で戦前に映画化されており 本作はリメイク作。

(感想等)

吉屋信子って、日本の少女小説の先駆けの作家さんですよね。
うわぁ~となるとベッタベタ展開?と思ったのですが、
サバサバした明るいお嬢さん役で和泉雅子さん(相変わらず可愛い♪)などがいたので、
ウエットになりすぎず良かったです。
吉永小百合さん演じる操と、そのライバルでも友人でもある有為子(十朱幸代さん)。
共に秀才だけれども、家庭環境は正反対。
(見なくてもキャストで小百合さんが苦学生で、十朱さんがお嬢様と察しがつくはずw)

最後まで見た感じでは、私ゃ十朱幸代さん演じる有為子の方が、操より好きだなぁ。
学長賞は有為子が受賞するのだけれども、
操の危篤の母のために、操が学長賞をとったというウソをそのまま汲んであげて、
更に共に好きだった青年をも操になんて・・・・
一見クールそうで優しい。
そんな流れで見て、母のためとはいえ、
母がいない場面ではもっと仲間に感謝の気持ちをめいっぱい表現してくれてもいいのに、
いつもの淡々とした演技の小百合様^^;
こういう感情がはっきりしない優等生すぎる演技なところが私が小百合さんが苦手な一つなのだなぁ。
いつも同じような演技で、演技もハメをはずさなすぎるところもあって、
申し訳ないが吉永小百合さんのどこが良いのか未だにわからない熊猫屋。
(特別美人ってわけでもないし。日活女優だと和泉雅子さんとか松原智恵子さんとか綺麗可愛いけど)
当時アイドル女優だったから、その普通っぽさがよかったんでないか?
と言っていた私の父の発言が正しいのだろうか?(笑)。
未だに理解できず、謎なまんまなのでございます・・・・。